論文詳細

敬心・研究ジャーナル第8巻 第2号
掲載ジャーナル
第8巻 第2号(ISSN2432-6240)
掲載ページ
P.029~P.036
発行日時
2024年12月31日
DOI
まんが家たちの〈戦争〉
―飢餓・生命・倫理をめぐる手塚治虫・やなせたかし―
著者
吉田 直哉
所属機関
大阪公立大学
抄録

本稿は、手塚治虫とやなせたかしの戦争体験と、それが彼らの作品世界や人間観に与えた影響を明らかにするものである。手塚は、勤労動員中に大阪大空襲を経験し、爆弾の炸裂と機銃掃射によって殺戮される一般市民の惨状を目の当たりにした。やなせたかしは、陸軍兵卒として日中戦争に従軍し、強烈な飢餓を経験した。それぞれの戦争経験から、手塚は、生命の儚いがゆえの尊厳を終生の創作のテーマとし、やなせは最も耐えがたい苦痛である飢餓を、文字通りの〈献身〉によって救うヒーローを創造した。

キーワード
手塚治虫、やなせたかし、反戦思想、空襲、従軍体験
War experiences of Tezuka Osamu and Yanase Takashi
Author
Yoshida Naoya
Organization
Osaka Metropolitan University
Abstract

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