論文詳細
クライエントの「自律」への支援過程
著者
曽倉 恵里子
所属機関
日本福祉教育専門学校 精神保健福祉研究科 研究生
抄録
本ケースは、母親や主治医、その他支援者の期待、あるいは勧めてくれた路線に乗るために努力するが、それらが自分の意思との間に相克を生じ、うつ症状が悪化するというパターンを繰り返していた。この悪循環のために、本ケースの「自立」は失敗し、それが本人の自己肯定感の低さや希死念慮へ繋がっていることが理解できた。本ケースは、筆者とのかかわりを通して、依存関係にあった母親から自立し、自分自身の目標に向かって歩み始めることができた事例である。この間の筆者の支援は、本ケースが自分自身の気持ちに気づき、意思を持って行動していくことを支援したプロセスであった。したがって、当初から意図していたわけではないが、結果的に本人の「自立」ではなく、「自律」への支援であったと言える。本人の個別の課題に沿って、「自立」と「自律」への支援を混同しないことが、ソーシャルワーカーには必要と実感したので、本ケースの事例を報告し、考
察を加えた。
キーワード
自律、自立、福祉サービス、発達障害、発達論的視点
The process of assisting clients towards autonomy
Author
Sokura Eriko
Organization
Research Student, Department of Mental Health and Welfare, Japan Welfare Education Vocational School
Abstract
Keyword