論文詳細

敬心・研究ジャーナル第3巻 第2号
掲載ジャーナル
第3巻 第2号(ISSN2432-6240)
掲載ページ
P.059~P.068
発行日時
2019年12月01日
協働型園内研修論が前提とする保育者の専門性観
―子ども理解と人間関係を主題化することの問題点―
著者
鈴木康弘1)
吉田直哉2)
所属機関
1)八戸学院大学短期大学部
2)大阪府立大学
抄録

本稿は、協働型園内研修論における保育者の専門性観を、子ども理解と人間関係という二つの観点から、批判的に検討したものである。協働型園内研修論は、写真や映像などのメディア、エピソード記録などを利用しながら、子どもの姿を語り合うこと、保育者同士の対話を重視することに特徴がある。しかしながら、協働型園内研修論の課題として、保育者の子ども理解が多元化・多角化されたとしても、適切な保育方法や教材の選択がなされるとは限らないこと、さらには、職場の人間関係の改善が、研修の副次的な目的として掲げられているものの、これらを改善するための研修の成否は、職場の人間関係に依存してしまうことなど、いくつかの問題点について指摘した。そして、これらの課題を乗り越える一つの方略として、これらの協働型園内研修の方法論を、「理論」の学習にも拡大することで、保育をめぐる法律・制度、発達心理学の諸理論等のいわゆる理論・知識習得型の学びが深まる可能性を提示した。

キーワード
協働型園内研修、保育カンファレンス、中坪史典、保育者の熟達、省察
Concepts of Development Expertise in Early Childhood Education and Care Conferences:
Critical Review of the Understanding of Child and a Relationship at Work
Author
Suzuki Yasuhiro1)
Yoshida Naoya2)
Organization
1)Hachinohe Gakuin Junior College
2)Osaka Prefecture University
Abstract

Keyword