論文詳細

敬心・研究ジャーナル第3巻 第1号
掲載ジャーナル
第3巻 第1号(ISSN2432-6240)
掲載ページ
P.099~P.106
発行日時
2019年06月01日
「介護業務内容の分析及びその階層化に関する予備的研究1」
―介護助手に焦点をあてて―
著者
吉田志保 1)
半田仁 2)
小林桂子 3)
齊藤美由紀 4)
川廷宗之 5)
所属機関
1)佐野日本大学短期大学
2)職業教育研究開発センター 客員研究員
3)三幸福祉カレッジ
4)日本福祉教育専門学校
5)大妻女子大学・名誉教授 職業教育研究開発センター・センター長
要旨

本研究では、介護人材が不足している現在に日本において、人材の有効活用のために必要な「介護の業務分析」「介護の機能分化(機能分析)」、「介護の職務分析」についての先行研究レビューをおこない、介護における業務内容の分析とその階層化について概観した。
 また、介護の周辺業務を担う「介護助手」について、「ハローワークインターネットサービス」を用い、現状と課題について考察した。
 結果として、先行研究レビュー「介護の業務分析」「介護の機能分化(機能分析)」「介護の職務分析」をキーワードとした研究論文が乏しく、今後の介護職員の有効活用を視野とし議論するうえで、大きな課題があった。今後は介護職員の業務内容を、実態に沿って明確化していくことが必要であると考える。
 そして介護の職務内容を精査し「介護助手」を活用する事で、先行研究では、「介護助手」として働いた高齢者が「充実感や働く楽しみ、自信がついた」との結果や、介護現場の変化として、「周辺作業負担が軽減されたことにより、個別対応が可能となり、ケアの質が向上してきた」など、一定の効果が得られた。
 しかし、「ハローワークインターネットサービス」における「介護助手」の求人を精査すると、「介護助手」の区分での求人ではあっても、身体介護を伴い、今だ「介護助手」の定義が定まっておらず、介護職員との業務内容のすみわけが想定されていない現状が分かった。
 今後は実際に働いている「介護助手」や施設に聞き取り調査をし、より現実に基づいた調査研究が必要である。

キーワード
介護業務、機能分化(機能分析)、職務分析、業務分析、介護助手
Preliminary study on analysis of nursing care work contents and its stratification 1
― Focus on nursing care assistant ―
Author
Yoshida Shiho 1)
Handa Hitoshi 2)
Kobayashi Keiko 3)
Saitou Miyuki 4)
Kawatei Motoyuki 5)
Organization
1) Sano Nihon University college
2) Vocational education center of research and development
3) Sanko Welfare College
4) Japan Welfare Education College
5) Professor Emeritus, Otsuma Womenʼs University
Abstract

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