論文詳細

敬心・研究ジャーナル第7巻 第1号
掲載ジャーナル
第7巻 第1号(ISSN2432-6240)
掲載ページ
P.085~P.096
発行日時
2023年06月01日
日本におけるダブルケア研究の動向と到達点
―家族介護者支援の必要性とその難しさの視点について―
著者
河本秀樹
所属機関
職業教育研究開発センター 客員研究員
抄録

ダブルケアが近年注目されている。介護をしながら子育てをするようなことが代表的だ。介護と子育ての2つを同時におこなわらなければならず、かなりの負担がケアラーにかかっていると思われる。このような状態は昔からあったといわれるが、近年では、少子高齢化などのために、ケアラーの存在が重みを増している。そして困難さが問題視されている。
 行政がダブルケアを行っているケアラー(家族介護者)を知った場合、縦割りで介護と育児などのバラバラの対応がされることが多い。しかし、必要な支援は、家族全体を視る視点を持ったものである。
 家族全体を視る視点は、家族から好まれない。場合によっては、スティグマであろう。また、介護の介護保険では、「介護の社会化」という理念があり、本論文で述べる家族介護者への支援とは矛盾する。しかし、「介護の社会化」ができていれば、ケアラーへの支援はいらないことになる。「介護の社会化」が出来ていないからこそ、家族介護者(ケアラー)への支援が必要となり、矛盾をしていることがわかった。

キーワード
ケアラーのケア、家族介護者支援、家族全体を視る視点、ダブルケア、複合ケア
Trends and achievements of Double Care research in Japan
― Perspectives on the necessity and difficulty of family carer support ―
Author
Kawamoto Hideki
Organization
Visiting fellow of Vocational education center of research and development
Abstract

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